「ちょっとくらい甘えさせて」キリンの子供
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ある森の中で、
キリンの子供ペコは暮らしていました。
赤色のぶちを持つ、
可愛らしいキリンの子供。
ペコっと首を曲げて
お母さんのもとに鼻先を寄せるのが大好きでした。
そんなペコはもう、
小さな茂みならひとりで飛び越えられるほど大きくなりました。
「もう赤ちゃんじゃない。お母さんの助けはいらないんだ。」
そう心に決めてお母さんには内緒で、
森の奥深くへ冒険に出かけることにしました。
一番高い木の、一番美味しい葉を食べるんだと、
転んでも、枝にぶつかっても、ひとりで頑張り続けました。
お母さんは、
ペコが大人になろうと努力する姿を誇らしく思いながらも、
ペコがまだ幼かった頃のように、鼻先を寄せてこなくなったことに、小さな寂しさを感じていました。
ーーーある日の夕暮れーーー
ペコは茂みの中で迷ってしまいました。
森の木々は高く空も見えずいつもと違う暗さに、
急に不安が押し寄せてきました。
「大丈夫、大丈夫・・・」と自分に言い聞かせても、
心臓がドキドキするのが止まりません。
「おかあさん……」
ペコが涙声で呼ぶと、
ひょこっと背の高いお母さんが現れました。
ペコは思わずお母さんもとに顔を埋め、
むせび泣いてしまいました。
その瞬間、ペコの顔を押しつけた場所が、
じんわりと赤色い模様に染まっていきました。
この模様は、森の奥でペコが流した
「頑張ったけど、やっぱり怖い」という涙の色だったのです。
お母さんは優しく語りかけます。
「ペコ。あなたはもう、この森で生きていく力がついているわ。
でもね、どんなに立派になっても、
お母さんにとってはあなたはお母さんの子供よ。
甘えていいの。
ここは、いつだってあなたの帰る場所なのよ。」
ペコは、甘えてもいいんだという安心感を得て、
次の日から、より自信を持って森を探検できるようになりました。
ペコの鮮やかな赤いぶちは、
ペコが大人になろうと頑張る気持ちと、
お母さんとの変わらない深い愛情の証として、
森の緑の中でひときわ、きらめくのでした。
-「ちょっとくらい甘えさせて」キリンの子供の物語-
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キャンバス:SM(158×227×20)
オイルパステル等
ニス塗り






